『白い春』に関する作品全体の評価はネット上ではおおむね上々のようで
ある。
しかしラストの部分、具体的には春男が死んでしまったことについては否
定的な感想が多いように見えた。
それはそのシナリオに対するマイナス評価ではなく、単純にひとはドラマ
にハッピーエンディングのほうを好む傾向があるというだけのことだと思う。
この一般視聴者の反応をもってこのドラマの評価を下げるような愚は、プ
ロのドラマ批評家はしないと思うが、わたしも「ヤクザ映画みたいだな」と
思ったのは事実である。
ただ、ヤクザ映画なら主人公が刺され(または撃たれ)、土砂降りのなか
血まみれで息を引き取りエンディングロールとなるのだが、このドラマでは
続きがあり、この悲しい死を乗り越えてみなそれぞれ自分の道を歩んでい
くところを描いて終わっている。墓地に現れた春男の霊、いや幻も、ありが
ちなシーンではあるがやはりグッと来るものがあった。
わたしはこのエンディングをほぼ理想のかたちとして踏まえている。ドラマ
としての評価うんぬんではなく、単純に個人の感想としてだ。
やはり生きているひとを見て、そのひととのむかしのよい想い出はふつう
浮かばない。想い出は大切なひとを失ってからこそ本当の想い出になる。
もっともわたしの場合はひとより犬や猫を想い出し涙することのほうが多い
が。

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