う~ん、個人的には"ドラマ"として観るしかないような気がします。
現実に事件に係わった加害者・被害者を忠実に描写しているようには
思えないからです。
わたしは加害者家族に接したことはありませんが、自殺に追い込まれ
た友人の家族と接したことはあります。
彼の葬儀が終わったあと、中学時代野球部でともに活動した同級生と
ともに友人の自宅に招かれました。そこでお父さまからその日に至るま
でのいきさつをうかがいました。
お父さまはとても冷静でした。実の子が電話口で脅され、恐怖に打ち震
えるさま、自宅の金銭がなくなっていったことなどをたんたんと話してく
ださいました。お母さまは傍らで静かにハンカチで目頭をおさえていま
した。
ドラマでは「現実に向き合うこと」が望ましいように描かれていくようです
が、それに耐えられるようなひとは少数ではないかと思います。
友人のご家族はまるで介護し続けた親が亡くなったかのような、むしろ
安堵を感じさせるご様子でした。
この"事件"は新聞にもテレビにも報道されず、警察ざたにもなりません
でした。被害者家族と彼が通っていた高校の意向だったのでしょう。
友人が"殺された"のだから、わたしも被害者のはずです。でもわたしは
その当時それ以上事実を突き止めたいとは思いませんでした。いまだ
に加害者が誰なのかさえ知りません。わたしは彼に友人と呼ばれる資
格はないのかもしれません。
22年経ったいま、心境はかなり変わりました。いまも加害者が誰だった
のか突き止めようとは思いません。ただ、22年前とちがうのは自分の
生活を守ることを優先しているからではなく、感情的になり、とんでもな
いことを起こしてしまうことを恐れているからです。
あの事件に関する新しい事実を知ってしまわないように、わたしはいま
だに彼の墓参りにすら行っていません。わたしはいまだに現実から目を
そむけ続け、それが最善の策だと思って生き続けています。

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