むかしこんなタイトルのドラマがあった。
調べてみると1980年放映というから、わたしが10歳のときの作品だ。
こんなむかしの作品なのに、かなりの部分を覚えている。それだけ印象
的な作品だったのだ。
ある日桃井かおり演じる小児科の看護師がある新生児の担当を命じら
れる。
その新生児は重度の奇形児であった。病院側は両親に"死産"と偽り、
臨床実験対象として秘密裡にこの新生児に延命のための処置を続けた。
はじめはこの新生児のあまりの奇形のひどさに、担当を命ぜられたこと
を悲観していた看護師だったが、彼に接するにつれ、徐々に母性を抱く
ようになっていった。同時に彼が臨床実験対象として"にんげんモルモッ
ト"のように扱われていることに憤りを感じ、ついには病院から彼を連れ
出してしまう。
病院の職員が看護師を探し出し、病棟に戻すよう説得する。
たぶんそのときだったと思う、看護師が発した言葉。
「タロウちゃんはにんげんです!」
病院に戻された"タロウちゃん"はまもなく息を引き取り、看護師はもとど
おり小児科の一看護師に戻る。
そんな内容だったと思う。
桃井かおりは当時からちょっと不思議な雰囲気のある女優さんだった。
そのときのイメージはいまとほとんど変わっていない。
そのとき10歳のわたしがどんな感情を抱いたのかわからないが、当時
のドラマとしてもかなり異質だったのだろう。でなければいままで覚えて
いるはずがない。
ドラマではこの新生児の姿は出てこない。いや、たしかオシッコをするシ
ーンが1カットあったような記憶がある。
「ここだけはほかの子と変わらないのに」みたいな看護師のセリフがあっ
たと思う。
いずれにしてもおそらくいまの時代に放映しても十分通じる内容だった
と思う。

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