うちの母は"連合赤軍もの"、"文化大革命もの"が好きである。
母も若かりしころは、共産主義の思想(とくに中共)こそ正しいと思って
いたみたいだ。
しかしその思想は恥ずかしいほど底が浅い。一方でゲバラのことすら
知らないのだ。
当時はファッション感覚で左翼運動をしているひとも多かったのだろう。
母の要望で『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』のDVDをレンタル
してきた。
わたしも最後のほうだけ観た。いままでこのような作品がなかったのが
不思議でならない。
わたしは学生のとき、連合赤軍のリンチ事件に興味を持ち、当時のニュ
ース映像を観たり、新聞の縮刷版を読みあさった。
社会学専攻だったこともあるが、あのような壮絶な事件をもたらした組織
の変遷を社会学的に理解したかったのだ。
そしてその数年後、一連のオウム事件が起こった。
このふたつの事件はよく似ていると思う。
ちがうのは連合赤軍を指揮した森恒夫・永田洋子が正気(この言葉が適
切かどうかわからないが)を取り戻したのに対して、オウムの麻原彰晃は
逮捕後ますます狂気を強めたことだ。
いずれにしてもこのふたつの事件は、にんげんの素性がいかにたやすく
変わり得るかを物語っていると思う。
わたしはもろいにんげんだ。だからあらゆる組織の誘惑を警戒し生活して
いる。でないとたやすく組織の犠牲になり、さらには組織の一部として自ら
加害者となり犠牲者を生み出すことになるような気がして恐ろしいからだ。
というか、にんげんは誰でももろい。
若いひとには、リンチ事件はおろか彼らのやりとりについてまったく理解で
きないと思う。
おそらくまるで演劇芝居を観ているようなセリフ回しだと感じるだろう。
しかしあの時代の活動家たちの間には本当にあのような問答が繰り広げ
られていたのだ。
もちろんあのような凄惨なおこないをしたのはそのごく一部の過激組織に
過ぎない。
しかしにんげんは所属する組織によって思いもよらぬ思想を描いたり行動
をしたりする。
それはいまも変わらないだろう。

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