夏川結衣さん以外にもお年寄り役でそうそうたる役者さんが起用され
ているのでかなり期待していました。とくに山本學さんは『白い巨塔』
の里見先生役でわたしのなかでは"伝説の俳優"のひとりなので、そ
の演技が観られることはとても楽しみにしていました。
お年寄り役以外の方もかなり贅沢なキャスティングで、とてもテレ東制
作とは思えない(失礼)力の入れようで、内容もすごくよかったと思い
ます。
はじめはちょっとサスペンスっぽい展開で、ヘルパー役の夏川さんの
表と裏を徐々に明かしていきます。ドラマでも描かれていましたが、介
護ヘルパーさんはどんなに善意でも法的に許されていない行為があ
って本当に単純なサービス精神だけではジレンマを感じずにはいられ
ない職業ですよね。ドラマではそこをうまくつけ込みお年寄りをだます
ヘルパーを描いているのですが、結局本当に悪だくみのためだけに表
面上親切なヘルパーを演じることはできなくて、それだけお年寄りの信
頼を受けられるようなひとはやっぱりこころの奥底には本当にひとを思
いやる気持ちがあるのでしょうね。
やはり3人のお年寄りの演技はさすがでしたね。でも、あれは演技だと
わかって見るわたしの目とおなじように実際に認知症や身体の不自由
な方に対して目をそむけず見られるかというと正直自信がありません。
実際に介護をなさっている方たちは毎日その現実と接しながら、しかも
つらい介護をしているわけです。その点はヘルパーによる介護も家族に
よる介護もおなじです。まだまだ儒教文化の影響の強いいまの日本では、
まず第一に家族による介護が、それができない場合に官民による介護
サービスを受けられるような社会になっています。
わたしの祖母は一昨年亡くなりましたが、末期はひどい認知症でわたし
の両親は筆舌に尽くしがたい苦労をしました。介護施設でさえさじを投げ
るほど祖母の素行に問題があってそこを追い出されてしまったのです。
ドラマに出てくるお年寄りはむしろ手間の掛からないほうで、現実はもっ
と深刻です。うちの祖母が亡くなったとき、正直親族のだれもが胸をなで
おろしました。老人をお荷物扱いにする、それはひととして愛情が足らな
いからではなく、やむを得ざる理由があることもときとしてあるのです。
いずれにしても今日はまた新たな夏川結衣が観られました。感無量です。

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