不況で経営状態が悪化した企業のあおりを受けて、内定を取り消され
る学生が増加しているという。
あまりにもひどい話である。学生のほうにまるっきり否はないのだから。
景気動向の読みの甘かったツケを内定済み学生に押し付けるなんて
どう考えても腑に落ちない。でもまぁ長い目で見れば、そういう会社利
益中心主義のところに入らなくてよかったとも言える。その会社に入っ
ていれば、いずれなんらかのかたちで不条理な仕打ちを受けるだろう。
そう考えて新しい道へ進むしかない。まちがっても会社を訴えてやると
かそういう方向に向かわないほうがいいと思う。弁護士になってそうい
う会社を撃退してやろうというなら話は別だが。
わたしの時代も就職は厳しかった。ただ、わたしは景気がどうあろうと
大学在学中の早くから公務員を目指すことを決めていた。
世間では毎回講義に出てコツコツと勉強してよい点を取る学生と、先
輩や同級生のノートをかき集めておなじ点を取る学生とでは後者のほ
うが有能とされる(以前も書いたと思うが)。しかし公務員だけはちがう。
一所懸命勉強したものが報われる、そう信じていた。模擬試験では国
家II種、地方上級はすべてA判定だった。絶対希望していた埼玉県の
一般行政上級に合格できる自信があった。
しかし公務員ももはや学力だけを求められる時代ではなくなっていた。
わたしは大学4年のとき、1次試験に受かったが面接などがある2次
試験で落ちた。もはや民間に切り替えるなどという選択肢を見失って
いたわたしは卒論もほっぽり出して大学も卒業し、ひたすら勉強した。
そしてまた2次試験で落ちた。最終的に国家II種に合格し、国立大学
に採用になった。
まわりのにんげんと極力絡まず、勉学と労働に明け暮れる大学生活を
おくるようなにんげんは官民問わず受け入れられないというのが現実
だったのである。
ただ、あとで大学の人事課に聞いたところによると、最終的に採用に
なった国家II種の面接試験の評価は非常に高かったそうである。わ
たしはただ自分の殻に閉じこもっていただけだったのだ。やろうと思
えば友だちのノートを集めることだって得意になれるにんげんなのだ。
いまの仕事をしていて、すごくそう思う。

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