実家に約長さ1メートルの棒切れがある。
種類はわからないが、直径1.5センチほどの太さで、角が丸く
削ってある。いまは亡き祖父に作ってもらったものだ。
これは保育所の年長組だったとき披露した『こぶとり爺さん』の
劇で主役の『いいお爺さん』をやったとき使ったものである。
当時の記憶もあやふやで、ただ主役を張ったという事実だけが
記憶にある。
あとにも先にも、文字通り“主役級”の役割を張ったのはこのと
きだけである。
いまから30年以上も前に使ったものだが、特に大事にされると
もなくいまも存在する。
この30年間変わらない棒切れとすっかり変わってしまった自分。
自分なりにこれまでせいいっぱい生きてきた。この棒切れはそ
れを静かに見届けてきたのかもしれない。
1メートルの棒切れ
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