うちの高校の野球部は一戦目を突破し、二戦目に向けて
練習をしていた。
わたしも数少ない思い出創りにと、いつもはやらないバッ
ティング投手をやった。
それが悲劇の始まりだった。ピッチャー返しを受け、打球
を右のスネに当てた。ひとりでは歩けないくらいの状態に
なってしまった。
次の試合は数日後、それまでに治るかは微妙だった。
そして試合当日、キャッチボールをしたが、軸足に力が入
らない。試合中もブルペンで投げようとしたが無理だった。
そうこうしているうちに試合は負けムードになり、結局わた
しの高校野球は試合に出れる状態でないまま終わった。
いつか必ず自分の出番が来るはずだと信じていたわたし
にとってその現実はにわかに信じがたいものであった。
わたしは一年上の先輩主催の呑み会をすっぽかして、30
キロ以上はある自宅まで、自転車で帰った。こんな悔しい
想いを呑んで忘れることなんてできるかと思ったのだ。
今日も夢で観た。いちどでいいからエースとの一騎打ちで
紅白戦がやりたかったなぁ。

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