この程日本人初のノーベル物理学賞を受賞したことで
知られる湯川秀樹の日記の一部が公開された。
湯川は中間子理論という当時の素粒子物理学の分野に
おいて画期的な研究を発表したことで同賞を受賞し、
その後には研究者としてつねに第一線で活躍すると
ともに冷戦下の核開発の激化を憂い、平和活動に尽力
したことでも知られる。
日記では“γ´(ガンマダッシュ)”という、おそらく
のちに“中間子”と呼ばれる粒子についての記述のほか
に、自分の子を「春ちゃん」と呼び、その子のために
買い物をしたり、学部内の野球大会のために“猛練習”
したりする実ににんげんらしい姿が垣間見える。
湯川秀樹というひとは、なんと魅力的なひとなんだろう!
素粒子物理学はいまなお未知なことが多い分野である。
湯川の予測は正しいことが証明されたが、まだまだわか
らないことだらけである。言い換えれば、湯川の功績以降
この学問はあまり進歩していないのではないかと思う。
とかく研究者というと“視界の狭い”人物を連想するが
湯川はひととしてとてもバランスがとれていると思う。
りっぱなにんげんを思うとき、ひとはそれだけでも幸福
になった気がする。自分はなにも変わっていないのに。
不思議だ。

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