中学の修学旅行でわたしは奈良の薬師寺へ行った。
境内のなかには東塔と西塔があり、東塔は国宝で
奈良時代にさかのぼる貴重な木造建築物であった。
西塔は古くに焼失し、当時建っていたものは1981年に
再建されたものだった。
当時の先生に東塔を指して、「これは国宝だから
よく観ておけよ。」と言われた。
わたしの興味も建てられたばかりの西塔ではなく
この東塔に向けられていた。
その数年後、大学の英語の教材で目からウロコの
文章に触れることがあった。
新しく再建されたもの、つまり西塔こそ建立当時
の姿を忠実に表現しているのだ。当時の文化を
現しているのは西塔の方なのだと。
教材では特に薬師寺について述べたわけではなく
一般論として語られていたのであるが、なるほど
と思った。東塔は確かに珍しい建物かもしれない
けれど、建立当時の姿とはちがうのである。
当時の文化を知るうえでは、この新しい西塔を
観るほうが価値があったのである。
文化を知るには
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